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旧陸軍「登戸研究所」移転先の駒ケ根で所長の手紙見つかる

NHK 信州 NEWS WEB 2024年5月16日 16:18

太平洋戦争末期、旧陸軍の秘密作戦の研究を行う「登戸研究所」が移転してきた駒ヶ根市で、地元の協力に感謝する当時の所長の手紙が見つかりました。

16日は市内の調査グループが会見を開き、研究所に関する証言を裏付ける貴重な資料だと評価しました。
川崎市にあった旧陸軍の「登戸研究所」は、戦前から太平洋戦争中にかけて、生物兵器の開発などを行い、戦争末期に、一部が、現在の上伊那地方に疎開していました。
地元の調査グループ「登戸研究所調査研究会」は、16日駒ヶ根市で会見を開き、終戦が迫る昭和20年6月に登戸研究所の所長が地元の有力者に送った手紙が見つかり、先月、所有者から提供されたと発表しました。
手紙は、地元の人たちの協力によって「所期の目的を達成しつつある」と感謝を示したうえで、小学校に設けられた、登戸研究所の爆弾製造所の見学や、懇親会への参加を呼びかけています。
登戸研究所に関する書類は、終戦直後に廃棄されてほとんど残っていないため、研究グループは、証言を裏付ける貴重な資料だとして高く評価しています。
研究グループでは、ことしから予定している資料の常設展示で手紙を公開することにしています。
会見で小木曽伸一共同代表は、「手紙に書かれた研究所の目的についてさらに調査するとともに、引き続き、貴重な資料を集めていきたい」と話していました。