JSA京都支部第5回市民講座のご案内
日時:2024年5月19日(日)10時~12時
会場:龍谷大学深草学舎 22号館103教室(最西端の建物の1階)
開催方法: 対面・オンラインのハイブリッド開催
オンラインZOOM URL:
https://us06web.zoom.us/j/82690843837?pwd=TzBVYzkzQURhMUoweVd0cDFhZUx3dz09
ミーティングID: 826 9084 3837
パスコード: 443277
連絡先 E-mail:jsa-kbranch3132@mbox. kyoto-inet. or. jp
講師 西山勝夫氏(滋賀医科大学名誉教授)
講演概要
日本医学会『未来への提言』(2022年)日本医学会は2022年に創立120周年記念事業を行った.その一環として『未来への提言』を発表した.注目すべき「提言」は以下である.
► 医学・医療の名において,人間の尊厳·人権の尊重が蹂躙され,人々に大きな犠牲を強いた過去を持つ
・戦時中に七三一部隊で中国人やロシア人等を対象とした非人道的な人体実験(当時の日本の医学界をリードしていた大学教授たちが多く参加していた事実)
・ハンセン病患者に対する強制隔離や優生手術
・薬害エイズ事件
・「旧優生保護法」に象徴される生命倫理原則や基本的人権,インフォームド· コンセントの蹂躙
► 私たちは,こうした過去の過ちに学び,将来にわたって非倫理的な状況が再び起こることのないよう,私たち自身の倫理を確固たるものとし,時には流れに抗うことも医学に携わる者の責務であることを改めて認識する
2.「提言」後の日本医学会
「戦争と医の倫理」の検証を進める会は,「今後,どのように取り組んでいかれるのか」をうかがう懇談の「場」を設けるようにという要望を日本医学会(門脇孝会長),第32回日本医学会総会(2027年,大阪,澤芳樹会頭)宛に出した.
3.検討事項
①日本医学会総会の自省
②日本医師会の1949年決議・1951年声明
③戦時中から継続する各医学会の自省
④戦前から続く大学などの自省
⑤医学教育の変革
⑥日本学術会議への貢献
⑦政府・国会・司法
⑧国民への周知・国際関係
⑨その他
配布資料は コチラ
講演2「能登半島地震の被害の特性と復興をめぐる対抗 ―地域経済学の視点からー」
講師 岡田知弘氏(京都橘大学・京都大学名誉教授)
講演概要
2024年元日に発災した能登半島地震は,石川県の奥能登地域を中心に新潟県,富山県,福井県の各地に,大きな人的・物的被害をもたらした.しかし,石川県と国による初期対応の遅れや,その後の支援体制のまずさがあって,とりわけ能登半島部における倒壊家屋の撤去や公費解体が大幅に滞る事態となっている.しかも,人口減少と高齢化が進行する地域で,二次避難を優先したために,現地での復旧・復興策の検討が遅れ,被災者が主体となった地域再生の動きも極めて弱いという特性が明らかになってきている.
他方で石川県では,国の指導の下,「創造的復興」を掲げて「選択と集中」政策を各分野で策定しつつある.また,それらの背後には,「復興よりも都市部への移住を」という政策的思潮がある.しかし,大災害の時代において,それは妥当な方向なのだろうか.被災者の声を聴かずに,トップダウン的な復興策をとった阪神・淡路大震災及び東日本大震災被災地では被災者の生活再建の障害ともなった.さらに,志賀原発も,福島第一原発と同様の大事故寸前の事態になっていたことが明らかとなっているので,原発問題も焦眉の課題である.
能登半島地震は,京都をはじめ近畿地方にとって,決して他人事ではない.大災害の時代において,多くの教訓を示してくれている.この点について,私見を述べてみたい.
「日本科学者会議京都支部第5回市民講座のご案内」は→日本科学者会議京都支部京都支部ニュース2024年4月号
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